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ドリブルドライブモーションオフェンス(DDMO)の動き方

こんにちはCoach-Mです。

今回は、中学生から大人まで使えるバスケットの戦術を紹介します。

ドリブルからの1対1でスキルを使って抜くのが得意だけど、1対1を試合中にやるスペースがない

こんな悩みを解決します。

この記事を読めば、試合で1対1の場面を多く作れるオフェンスの戦術が理解できます。

今回は、ドリブル・ドライブ・モーションオフェンス(DDMO)

を紹介します。

DDMOの概念

DDMOは、ドライブのスペースを確保するために、GAPを広くとるという考え方をします。

通常、バスケットボールのオフェンスでパスが通りやすい距離は、ボールマン(パサー)とレシーバーの距離は5mと言われています。これ以上近づいてしまうとディフェンスは1人で2人のオフェンスを守ることが可能になってしまうし、これ以上離れると今度はパスの距離が長くなり、それだけパスカットの危険性が増えてしまいます。

1GAPスペーシングのオフェンス

パッシングオフェンスを重視するチームにとっては、パス&ラン→フィルの動きで、パスが早く周りやすい1GAPのスペーシングを採用するのが普通です。

例えば、4out1inの形で簡単に表すと以下のような動きでディフェンスとのズレを作り、ゴールにアタックします。

5m間隔でポジショニングして

①がフォワードポジションの③にパスを出したらゴールに向かってパスラン→元々①がいたスペースが空くので②が埋める(フィル)②の場所を④が埋めていく。というように連動する。

するとディフェンスも動かなければならないので、そこにできた隙を逃さずボールマンはドライブ

そのドライブに対して他の選手は矢印のように合わせます。

動きの中なのでディフェンスは忙しくなり、ヘルプやローテーションダウンが難しくなります。さらに、ドライブに対してボールを持っていない選手が合わせれば、得点のチャンスは増えます。

ところが、ドライブにおいては、ドリブラーの能力が極めて高い場合を除き、パスが通りやすい1GAPのスペーシングでドライブするのは困難です。

1on1で目の前のディフェンスをやっつけるには、ある程度スペースが必要になりますし、同時に自分の1GAP横にいるディフェンスの手やヘルプを意識する必要が出てくるため、ボールマンの仕事が忙しくなります。

1GAPのスペーシングのオフェンスにおいてボールマンは以下のことをしなければいけません。

オフェンスでボールマンの選手がやること

①自分の相手をやっつけつつ

②近くのディフェンスにスティールされないように気をつけながら

③ヘルプデフェンスがどのようなポジションをとっているかを把握し

④それでいて自分でもゴールを狙う

1GAPのスペーシングのメリットは、ドリブルよりも早いパスでディフェンスの脚を動かせることですが、結局最終的にキャッチ&リリースのシュートでない限り、ゴールに向かうドライブはしなければいけないので上記の①~④はこなす必要があります。

ただ、ディフェンスが早いパス回しで揺さぶられていることが前提の話をすれば、①の自分の相手をやっつけるという部分の難易度が下がっているという状況が作れているのでこの戦術を否定するつもりは全くありません。

2GAPスペーシング(DDMO)のオフェンス

一方、DDMOでは、2GAPスペーシングのオフェンスを採用します。

メリットは、ボールマンのドライブをするスペースが最初から広いので、そこまでスキルがない選手でもゴールに向かってアタックができ、得点のチャンスが増えるということです。

バスケットボールで1対1をする場合、場所やスペースが限定されていなければ有利なのは絶対にオフェンスです。

脚力に大きな差がなければ、常にオフェンスは先手を打ち、ディフェンスはそれに反応するという後手になるからです。

DDMOでは、その考え方に基づき、1on1のスペースを広く確保するためボールマンの近くに行かない2または3GAPの位置に立ちます。

2GAPのスペーシングのオフェンスにおいてボールマンがやることは以下の通りです。

オフェンスでボールマンの選手がやること

①広いスペースで自分の相手をやっつけつつ

②近くのディフェンスにスティールされる心配なく

③ヘルプデフェンスがどのようなポジションをとっているかを把握し

④それでいて自分でもゴールを狙う

1GAPに比べると①が簡易化し、②を考える必要ない状況でゴールにアタックができます。

ヘルプのディフェンスは、スペースが広いため、ヘルプに出たくても出られない、または自分のマークマンを捨ててヘルプに行くしかないためボールマンは自分の得点とアシストが増えます。

本来フォワードポジションと呼ばれる場所は、フリースローラインと3Pラインが交差するあたりを意味しますが、DDMOでは、SGとFWは初めからコーナーまで広がります。

そして特徴的なのは、センターはゴールの裏側(ディープローまたはデッドローと呼ばれる)で合わせる準備をします。

センターがここにいる理由は、センターのディフェンスをゴールの近くまで下げることにあります。

センターのディフェンスが高めにポジションをとっている場合はPGのポジションから直接パスがゴールしたまで通ってしまうので、センターのディフェンスは深い位置まで下がらなければなりません。

そうすると、外からドライブしてくる相手のヘルプが出にくくなります。

状況は以下の通りです。

これは、大きなGAPを利用してドライブしてそのままフィニッシュまでいけた場合です。

続いて、ガードが大きなGAPを利用してドライブをしたら、コーナーで構えているSGのディフェンスがヘルプにきた場合です。

ヘルプに来たディフェンスがセンターの場合は、センターにパスを入れます。

この時のパスは、センターにアリウープ(タップシュート)させるようなロブパスが好ましいです。

これまであげたものは、全てPGが自分のディフェンスを抜いてきたことが前提の話でしたが、必ずしもPGが自分の相手を抜き去ってゴールに向かえるばかりではありません。

その時は、フリースローラインのあたりでストップし、周りの選手が合わせるプレーをします。

コーナーで構えているSG、FWは、自分のディフェンスが自分から目をきってボールマンを見ていた場合には、ゴールに向かって合わせます。

『自分のディフェンスの背中が見えたらゴールに向かってダッシュ』という決まり事を作っておくといいかもしれません。

最後に基本的な動き方です。コーナーで待っているSG・FWは自分のマークマンが、自分を警戒している且つPGが相手を抜けずにフリースローあたりでストップした場合、コーナーから真っ直ぐ上にあがります。

PGはパスをしたら、SG・FWがいなくなったコーナーに素早く移動して、スペースを作ります。

この時、ボールを受けたSGまたはFWはゴールを目指してドライブします。

自分で行けるならフィニッシュまで

センターのヘルプが来たのならセンターに合わせ。(センターはサークルムーブと呼ばれる合わせを意識するとパスが来やすいし、ドライブの邪魔になりません)

逆サイドのディフェンスが大きくヘルプポジションをとっていたのなら、逆サイドコーナーで待っているSG・FWにパスをして3Pを狙います。

まとめ

DDMOは、行動がシンプルなので小学生や中学生などの育成年代にもピッタリの戦術でありながら、高校、大学でも色んなチームが採用しているものです。

スクリーンプレーを多用しないので、非常にわかりやすく、まさにsimple is the bestの戦術です。

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