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バスケットボールの1対1に強くなるためのチーム練習

1対1の実戦的な練習

1対1を毎回練習する意義

バスケットの試合において、チームが勝利するための要因は様々です。

色々な戦略がチームによってあると思いますが、バスケットで相手の点数を0点に抑えることはほぼ不可能なため、結局は点数を多くとった方が試合に勝ちます。

例えばサッカーでは、ゴール前の守りをガチガチに固めてPK戦に持ち込み、勝利するという戦略もありだと思いますが、バスケットではそうはいきません。

確率の高いシュートを沢山打つことが大切になります。

確率の高い順=得点の期待値が高い順に攻撃を列挙すると

  • 1・ゴール付近のノーマークシュート
  • 2・フリースロー
  • 3・競り合ったゴール付近のシュート
  • 4・ノーマークのアウトサイド(3P)のシュート
  • 5・競り合ったアウトサイド(3P)のシュート

以上のような順番になります。

確率の最も高いシュートはノーマークのゴール付近のシュートですが、ここにノーマークで侵入するのは、相手が強くなるにつれて基本的に難しくなります。

ファストブレイクのようなシチュエーションではノーマークレイアップなどの得点シーンがありますが、ハーフコートのセットオフェンスになった場合は稀です。

2〜5に共通することですが、特に2・3に関わってくるのは、

①ゴールの近くにドリブルで

または、

②ゴールの近くにパスで侵入する

ということです。

②に関しては、チームの戦術になりますが、①に関しては、1対1で相手をやっつけることが必要になります。

1対1をするためのスペーシングなどは、これもまたチーム戦術ですが、様々な状況の1対1をプレーヤーに経験させておくことは大切だと考えます。

これは、オフェンスのみならず、ディフェンスの経験値も積めるからです。

そういうわけで、私はチームでの毎回の練習で、2分ずつハーフコートの1対1を7種類やっています。時間にして14分ですが、効果は絶大です。

①ドリブルからの1対1

ディフェンスがボールを持っているところからスタートし、オフェンスに手渡しします。ボールを受け取ったオフェンスは、ドリブルでゴールと自分を結んだ線上からゴールとは逆方向に2歩引き返し、再び反転して1対1を仕掛けます。デェフェンスはボールを渡したら、セミサークルのラインを踏み、攻めてくるオフェンスを止めます。

②ステイの状態からの1対1

ディフェンスがオフェンスにボールを手渡したら、オフェンスは両足が地面についている状態から1対1を仕掛けます。この際、ジャブステップを踏んだり、シュートフェイクをしたりして、ステイの状態から相手を抜くことを目指します。

この練習でのポイントは、大回りしないように、ディフェンスのギリギリを抜くことを意識させます。

③ショートクローズアウトからの1対1

ディフェンスはペイントエリアのラインを踏んでいるところから、3ポイントラインの外側にいるオフェンスにボールを軽く投げ渡します。オフェンスは、ミートをしてもしなくてもどちらでも構いません。ディフェンスは、②の練習と違い、今度は少しだけオフェンスとの距離を縮めるためにショートクローズアウトすることになります。ディフェンスの間合いの詰め方を見て、オフェンスはシュートを選択するのか、ドライブを選択するのかを判断します。かなりオフェンスに有利な1対1です。

④フレアカットからの1対1

この練習は、3人以上で行う練習です。オフェンスをする選手は、2ガードポジションから平行にパサーにパスをします。その後、少し内側にフェイントをかけてからフレアカットをして3ポイントラインに沿うように走ります。パサーはオフェンスの選手がシュートを打てるように正確なパスを出します。パサーがパスを出す瞬間に、その2人の真ん中あたりに立っていたディフェンスが、追いかけてディフェンスをします。

この練習も、オフェンスが有利なドリルですが、パスが乱れたり、シュートモーションが遅いとステイの1対1のような状態になってしまうので、走りながらディフェンスの位置や追いかけてくる方向を確認し、ボールキャッチと同時に仕掛けることが大事です。

⑤コーナーから走り込んでの1対1

これも3人以上で行う練習です。オフェンスはコーナーから真っ直ぐフォワードポジションに向かって走ります。ディフェンスは、パサーとオフェンスの間に立つようにしていますが、この練習に関しては、パスカットを認めています。コーナーから走っている最中に、ディフェンスがパスのラインに入ってきたら、裏にバックカットするのをOKにしています。そうすると、ディフェンスは不用意にパスカットしにいけないのでパスが通ります。

この練習では、オフェンスがゴールから遠ざかる動きをするので、ミートが大切になります。ミートの種類はいくつかありますが、細かいことはミートの練習でします。

⑥ローポストでの1対1

これはオーソドックスなローポストの1対1の練習です。3人以上で行います。ゴールに背中を向けた状態からパスを受けて、その後どうするのかを練習します。予めいくつかのスキルは教えておいてから1対1をします。

ローポストポジションと聞くと、結構ベースラインに近い場所ですが、ウチではハッシュマークあたりでポジションを取ります。比較的ハイポストに近い場所ですが、そのほうがベースライン側にも攻められるので攻撃の幅が広がります。

更に細かいことを言うと、ポジション争いの際には、力の勝負やハンドワークの勝負があります。しかも、そのような負荷がかかった状態でパスをキャッチするとなると、片手で相手を抑えながら、片手でキャッチすることが多くなります。当然、その練習はアップなどでやります。

⑦ハイポストでの1対1

3人以上で行います。オフェンスはローポストでポジション争いをしていたが、ボールを貰えず、ボールがガードポジションに返ったのでハイポストにフラッシュしたという場面設定をします。そこにガードはパスを出して、1対1をします。

ここでも、攻め方はいくつかあるので、予めスキルを教えてから、どのような状況でスキルを使用するのかを実戦で練習します。

まとめ

1対1を強くすることは、指導者にとって絶対に必要なことです。極論を言えば、1対1が全ポジションで勝っていれば、オフェンスならどこにパスを回しても点が取れるということになりますし、ディフェンスではヘルプの概念がなくなります。

1対1が強いことが勝利の前提条件ですが、それだけではバスケットは勝てないから面白いです。

しかし、1対1が弱いチームは、どんな工夫をしてもやっぱり勝てません。

私はそう思います。

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