ハーフコートオフェンスの代表的な動き方
バスケットボールという競技は、人数が少なければ少ないほどオフェンスは攻めやすく、ディフェンスは守りにくいスポーツです。
オフェンスは、スペースがあれば攻めやすく、デェフェンスは守る範囲が狭いほど守りやすいからです。
しかし、バスケットはコート上に10人も居るので、特にハーフコートでは何も考えずに攻めると味方同士がお互いの動きの邪魔をしてしまったり、逆にパスコールがなく孤立し、1人のボールマンに対して2人のディフェンスで守られてしまったりすることもあります。
オフェンス5人がそれぞれ適切な距離感を保つことは
①1対1のスペースを確保すること
②パスが選択肢に入ること
この2つの意味で重要になります。
1対1を練習するのは大前提ですが、そのスキルを発揮するために、練習の早い段階からある程度のスペーシングの練習は必要だと私は考えます。
順番としては、ドライブに対する合わせの練習が前に来ます。
その合わせの動きの考え方を理解しているとスペーシングの練習がスムーズになります。
3アウト2イン
外周りのプレーヤーが3人、インサイドのプレーヤーが2人のスペーシングです。
インサイドにサイズやパワーのあるセンターが2人いるときに有効です。
最近のバスケットのオフェンスではあまり見かけなくなりました。
その理由は、昨今のバスケットはパッシングよりも、ドリブルが主流になっていること、アウトサイドのシュートができる器用なビッグマンが増えてきたことで、中のスペースを空けて外からドライブでインサイドに侵入することが多くなってきたからです。
このフォーメーションは、どうしてもインサイドが重くなりがちなので、なんとなくリズムが悪くなるような気がします。
個人的な好みにもよりますが、あまり私はこれを主としてオフェンスを組み立てません。
ただ、ハイローを中心とした攻めで有効なセットがいくつかあるので、試合ではよく使います。
4アウト1イン
外周りのプレーヤーが4人、インサイドのプレーヤーが1人のスペーシングです。
私はこのスペーシングを最も好んで使います。
インサイドのスペースが大きいので、ドライブがしやすく、合わせもしやすい、パスの距離が長すぎることもないので、サイドチェンジがしやすいのも特徴です。
また、パスランなどでポジションチェンジが頻繁に行われるので、ディフェンスは守りにくいです。
動きのルールを理解すれば、5人が止まることなく、継続して動き続けることができるので、「止まってしまってどうしよう」「どこに動いていいのかわからない」がなくなります。
ただ、動いてもらうシュートが多くなるのも事実なので、練習をかなり積まないと、フリーで打ったシュートの打った本数に対して、成功した本数は実は多くないという現象が度々起こること、試合の終盤で足が止まってしまうことがよくあります。
私自身もコーチングをしていて、試合のデータをとるまでこの現象に気がつかず、
「なぜフリーを作っているのにシュートの成功率が悪いのだろう・・・」
「バスケットでは勝ってるのに試合には負けた」
などという訳のわからないことを言っていました。反省です。
動きは簡単で、ベースラインに対して角度のあるパスの後はパスラン、フィル(いなくなった味方の場所を埋めること)
ベースラインに対して平行なパスがガードポジションで行われたときはフレアスクリーンです。
大事なのは、どこのポジションでボールを持ったとしても、
常にゴールを狙うこと、
ドライブができるのならドライブすること、
それに対して味方は必ず合わせの動きをすることです。
まとめ
チームの戦術は、チーム事情によって変化するものであり、するべきであるものです。
選手が最も得意なプレーができるような戦術を、指導者は常に考え、学び、驕らないことが大事だと自分に言い聞かせ、まとめます。