TRAINING

チーム発足時にやったこと

目標設定

 チームとして、楽しくバスケがやりたいのか、勝ちたいのかを生徒に選択させることは、極めて重要なことだと思いました。自分たちで勝ちたいと思っているのであれば、練習を厳しくしても、誰からも文句は出ません。自分たちで決めたのだから。

 ただ、チームが発足した時に大変だったのは、このチームが全然勝てないチームだったことでした。勝ちたいという思いはあったとしても、実際に勝ったことがほとんどなく、それも、自分たちより明らかに格下の相手にしか勝てないというチームで、強いチームと戦うと、戦う前から勝つ気はなく、同等の相手にも、負けて当たり前という空気が流れていることでした。

 この当たり前を払拭するのは、本当に大変です。急に厳しくしても、どうせ勝てないのに馬鹿馬鹿しいと思われる危険性は大きかった。徐々に徐々に、練習に対する姿勢と雰囲気を作っていき、実際に勝たせてやること、負けた時に悔しいと感じさせることが第一歩でした。

 チームの目標は、県大会出場になりました。

 正直言って、この目標を達成するのは、この時点では無理かなぁと感じていました。チームには、プレーヤーが7人。マネージャーがひとりでした。唯一の救いは、平均身長がそこまで絶望的になるほど小さいわけではなかったこと。何よりも、新チームとなって、先輩が抜けた後輩たちの目はやる気に満ち溢れて、私が来たことで、今年は何か変わるかもしれないという期待をしているように見えました。もともと、チームの子供達には、真面目で勉強も学校行事も全て頑張るのが当たり前という素地がありました。(これがものすごく大きい)

 目標設定を据えた後は、チームのキャプテンを決めることが優先事項でした。

 何しろ、まだ名前と顔が一致してもいない、ほぼ初対面の子供達。人数が少ないので、とりあえず1週間ごとにキャプテンを変え、誰がキャプテンシーがあるのかを見極めることにしました。

 

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